3分野よりなる教育・研究プログラム

世界遺産専攻では、遺産の保護に関わる多彩な分野の研究と教育を通じて、文化遺産と自然遺産の保護に関わる専門家の育成を目指しています。

文化遺産から自然遺産、そしてその境界にある文化的景観まで、世界遺産学は非常に幅の広い領域に広がっています。皆さんは、そのどこかに焦点をあてて世界遺産学を学び、そして研究していくことになります。すでに目標が決まっている人はいいのですが、そうでない人にはなかなか難しいことかもしれません。

そのため筑波大学の世界遺産学専攻では、効果的に世界遺産学を学習し、そして修了後の仕事に結び付けていくために、3つの専門分野を用意して、教育と研究を支援しています。

  1. 国際社会における世界遺産保護あるいは日本の国際貢献に携わっていきたいと思う皆さんのための「国際遺産学
  2. 哲学、美学、美術史学、建築史学などを基礎として遺産の価値を探る方法論を追及する、あるいは遺物や遺構の保存修復および自然環境保全の専門家になるための基礎知識を身につける「遺産の評価と保存
  3. 世界遺産をより広い社会的なコンテクストで考えて保護し、価値を伝えていくための景観計画、開発観光計画、遺産整備計画を学ぶ「遺産のマネジメントとプランニング」

もちろんこれらの分野にこだわらず、自分の受けたい授業を選んで、自分だけの世界遺産学をデザインして学ぶことも可能です。

筑波大学世界遺産専攻は、そうした皆さんの幅広い期待に応えるよう、文化遺産から自然遺産、保存哲学・美学、美術史、建築史、保存科学、建築計画学、景観学、そして開発観光計画まで、それぞれの分野で第一線の教員を揃えています。
世界遺産専攻を修了すると、修士(世界遺産)あるいは修士(学術)の学位が取得できます。

 
国際遺産学分野

文化自然遺産の保全管理に関して、我が国の国際協力が求められる場面が多くなっています。
本分野は、将来、文化自然遺産に関係する国際機関や国際協力分野で活躍したいと考えている学生、すでに何らかの国際協力分野での経験を積み学位を取得したいと考えている社会人、英語で世界遺産学を学びたいと考える留学生などに向いています。
授業では、文化自然遺産の保全に関する国際機関や制度などについて実践例に基づいて学習するとともに、海外におけるプロジェクト実習等を通じて、現場でのプロジェクトマネージメントについて体験的に学ぶことをねらいとしています。
そのため、本分野を学びたい学生にとって英語は必須ですが、自分の意見を言えるだろうかとおそれることはありません。まずは第一歩を踏み出す勇気が大切です。

*「国際遺産学分野」に関連する本学教員の主要なプロジェクトの紹介 → こちら

 
 遺産の評価と保存分野

文化遺産の評価と保存分野は、美術、保存科学、建築、哲学、自然生態学などから構成され、これらを駆使し「世界遺産を科学する」ことを目指しています。美術史や保存科学を学び将来博物館や美術館で働こうと考える学生、建築史や建築保存、保存修復などで研鑽を積み遺産修復現場で仕事をしたい学生、哲学や美学を通して研究の道を究めたい学生、そしてこれらを横断的に学び高度専門職業人として教育委員会や研究所などで文化財と関わりたい学生に適しています。また、自然保護寄付講座と連携することにより、自然環境保全の専門家になるための基礎からより発展的な知識を身につけたい学生にも適しています。
学生、
自らが選んだ専門的な知識に加えて、関連する他の専門科目を履修することにより幅広い知識を習得し、それをすぐに職場で活かせる人材を養成します。

*「文化遺産の評価分野」に関連する本学教員の主要なプロジェクトの紹介 → こちら
*「文化遺産の保存分野」に関連する本学教員の主要なプロジェクトの紹介 → こちら
*「自然遺産分野」に関連する本学教員の主要なプロジェクトの紹介 → こちら
 
遺産のマネジメントとプランニング分野

遺産のマネジメントとプランニング分野は文化観光、文化景観、遺産整備をまなび、遺産保護に関わる幅広い視野を養うことを目指しています。都市計画、建築、造園などのコンサルタント会社、地方自治体やNPO法人の職員を志望する学生に適しています。遺産の現場で必要な知識と技術を身につけ、即戦力となる人材を養成します。

本分野では地域社会における遺産保護のありかたについて、コミュニティ、インタープリテーション、観光、景観、歴史的地区、遺産整備の視点から実践的に学ぶことができます。遺産観光論、文化的景観論、遺産整備計画論などを基礎知識として学習したうえで、より広い「地域」を対象としたマネジメントについて学びます。また、実際の現場でさまざまな立場の関係者の声を聞きながら研究をすすめることができる点が特徴です。履修を通して、マネジメントのための調査、解析、計画立案に至る技術を備えた学生の育成を目指します。専門的に特化した技術を習得したい学生は他専攻の推奨科目を組み合わせて履修することでより高度な職業人としての能力を身につけることが可能です。

*「遺産のマネジメントとプランニング分野」に関連する本学教員の主要なプロジェクトの紹介 → こちら